KUTANI POTTERY EXHIBITION 2017

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The world of mysterious KUTANI pottery

November 9th to 11th 2017
Opening reception 9th 6pm to 8pm

 

 

Ruri Takeuchi
Naoto Ikeshima
Taro Kitade
Hitomi Ikeshima
Kayo Inaba
Yoca Muta
Rieko Kawabata
Mai Kitai
Mako Kawakami
Sakura Oishi
Yukiko Ito

"Closest to the Cross"

Kutani-yaki originated in 1655.
In its over 350 year history, there have been many mysterious happenings. Unprecedented ostentatious designs, detailed painting that require the greatest skills. It ceased to exist, then reinstated itself - a history riddled with puzzles. How does it take traditional design and copy it to convey the same? With these eleven modern day artists, the kutani-yaki exhibition. How close will we get to solving this riddle? We'll have to stay tuned to find out!

The region Kutani, meaning "nine valleys", or a place that has nine valleys. However, the next number after nine, ten, the character for ten is the shape of a cross, as in Christianity - what is closest to ten is nine. Then mustn't the name Kutani also have this meaning that is "closest to god"? The pious of the pious that gave birth to Kutani-style. That tradition has been passed onto our modern day artists.

 

 

十字架に一番近い場所

1655年をその起源とする九谷焼。
350年以上の歴史の中、不思議な出来事いくつも起こる。
他に類を見ないど派手な意匠、技を極めた細描画。
途絶えてはまた復活する歴史に秘められた謎。
伝統を写し伝えるその訳とは?
現代作家11人による、九谷焼展。
どこまでその謎に迫れるのか?!
乞うご期待!

九谷という地名は、文字からすると九つの谷のある場所という意味に取れるが、
数字で九の次は十、十という漢字をキリスト教の十字架としてみると、十に一番近いのは九。
九谷という名前には、神様に一番近い場所という意味が込められているのではないだろうか?
敬虔な信仰心が生んだ九谷と言うスタイル。
その伝統は、現代の作家達にも受け継がれている。



謎多き九谷焼きの世界

毛が一本という細さの筆先で描かれた輪郭、白い磁器に上絵具を盛り上げるように施した迫力のあるデザインの色絵は、五彩手、青手と呼ばれる九谷の代表的なスタイル。

呉須の藍色が美しい染付は、筆にたっぷりと含ませた絵の具を自在に操り表現される。しなやかに向きを変え筆先から押し出された絵の具は、適量を残してまた筆の中へ戻される。それが、描かれた花弁や葉に自然な濃淡を作り出す。

赤絵は、細描と呼ばれる技法で吉祥紋などを一面に描き埋めたものが多い。
その上にさらに金で装飾されたものを金襴手と呼ぶ。
細かさと大胆さの両方を兼ね備えた工芸品である。

1655年に前田利治の命を受け、後藤才次郎が肥前の有田に赴き、その技法を持ち帰って始めたのが九谷焼である。
しかし、50年後、突然途絶えてしまう。理由はわかっていないというのが通説。
廃窯から約100年後、1807年に加賀藩は、九谷焼を再興する。吉田屋窯などが有名だ。

日本の磁器生産は、九州有田で始まる。
有田焼きの起源が1616年、李参平が磁器を作るのに適した陶土の山を発見したのが始まりとされているが、そのほんの数年前に江戸幕府による禁教令が出された。
1637年には島原の乱、そして鎖国と目まぐるしく時代が変わって行く中で、磁器の生産は盛んに行われて、海外に輸出されて行った。
1655年に九谷の地で磁器生産に適した陶土が見つかると、有田から技術を学んですぐさま素晴らしい工芸品が出来上がる。それには何らかの理由があったのではないだろうかと推測する。

この先は、私の想像によるところが大きいので、そのつもりで読んでいただきたい。
1588年にキリシタン大名の高山右近が前田利家に招かれて加賀に赴く、時はバテレン追放令が秀吉によって出された頃である。
その後の1613年の禁教令、1637年の島原の乱などを逃れた隠れキリシタンの人々にとって向かうべきは、加賀の国であったのだろう。
大聖寺藩の大聖寺は昔、大正寺、大勝寺とも書いたようだが、前田の領となって同じ音ながら聖の文字を使うようになったのには、キリシタンの聖地とした事を意味したのかもしれない。
有田で陶工として働いていた隠れキリシタンの人間が逃れて九谷の山に隠れ住んでいた。だからこそ到達出来た工芸の最高峰の質と信仰の深い人たちの描いた不思議なデザイン。
古九谷の中には、十字架を隠し描いたと思わせるものも多い。
九谷という地名自体、十に一番近い場所を意味してつけられた地名なのではないか。50年経って忽然と消える理由も、江戸幕府に隠れキリシタンが集っている事を悟られる前に自らより深くその身を隠して行ったのではないか。

100年の後、加賀藩によって再興された九谷焼、古九谷の窯跡に作られた吉田屋窯。
古九谷のデザインの中に隠され描かれたイコンや十字架は、写しという形で復活し再び陽の目を浴びることになる。
それは信仰のシンボルとなったのであろう。
もしかしたら、50年で廃窯を決めた時に100年後の復活は約束されていたのかも知れないと思いをはせるのである。

上村直樹

竹内瑠璃
池島直人
北出太郎
池島仁美
稲葉かよ

今回、特別参加してくださる”踊る九谷”のメンバー6名 

伊藤由紀子
大石さくら
川上真子
河端理恵子
北井真衣
牟田陽日

 

 

 

 

 

 

 

伊藤由紀子

横浜市生まれ
2001. 女子美術大学工芸科 卒業
2001. 陶彫刻家 藤田昭子氏 師事
2002. 福井県金津創作の森財団 勤務
2012. 石川県立九谷焼技術研修所 修了
2013~ 人間国宝 吉田美統氏の錦山窯 勤務
現在、窯元勤務の傍ら自宅にて制作中
陶歴、伊勢丹新宿、日本橋三越、銀座三越、横浜高島屋 等 百貨店やギャラリーにてグループ展 多数参加
 
大石さくら
1986  大阪生まれ
2009  近畿大学文芸学部芸術学科造形芸術コース
   陶・オブジェゼミ 卒業
2011  石川県立九谷焼研修所 本科 卒業
2012  石川県立九谷焼研修所 研究科 卒業
2012  金津創作の森 臨時職員
2017  大阪にて独立予定
 
【受賞】
2007  第二十七回越前陶芸まつり『ユニークな器展2007』特別賞
2011  第二十六回石川の現代工芸展・テレビ金沢社長賞
 
川上真子

神奈川県出身
2012年 石川県立九谷焼技術研修所本科卒業

  同年 山本長左氏に師事
2016年 独立。石川県能美市にて染付を中心とした絵付磁器を製作。
2017年 福岡岩田屋にて個展
             伊勢丹相模原店にて個展
 
河端理恵子
1982  石川県小松市生まれ
2013  石川県立九谷焼技術研修所 研究科卒業
2013  平成24年度卒業制作 パーマネントコレクション推定
2013  福島武山氏に師事
2013  IKEYAN☆オーディション グランプリ
2014  第37回伝統九谷焼工芸展 奨励賞受賞
2014  個展「奇想曲」 gallery Rempah-Rempah(石川)
2014  個展「Ikeyan exhibition relay vol.23」 国際デザインセンターLoop(愛知)
2015  個展「日本を寿く、赤絵細密画」 伊勢丹新宿店5階ウエストパーク
         北陸新幹線金沢駅待合室 陶板制作
2016  個展 「河端理恵子 陶展」三越日本橋本店 本館6階アートスクエア
2017  イオンモール新小松店「九谷五彩柱」絵皿制作
 
北井真衣
1985年 石川県生まれ
2008年 金沢工芸大学土木工学科卒業
2012年 九谷焼技術研修所本科卒業
2015年 金沢美術工芸大学修士課程修了
 
2013〜2016 「天祭 一〇八」(増上寺 / 東京)
*第二回「天祭一〇八」『増上寺現代コレクション』・グランプリ受賞
2014  個展「クレイジーランド」(ルンパルンパ / 石川)
2015  激陶者集団へうげ十作展「青山事変」
2015  「踊る九谷」(ともに 白白庵 / 東京)
2015  激陶者集団へうげ十作展「剽軽大茶会」(日本橋三越 / 東京)
2016  激陶者集団へうげ十作展「ニッポニア ニッポン」(まるごとにっぽん / 東京)
2016  「春爛麺」「回転喫茶」(日本橋三越 / 東京)
2016  「非凡栽」「KAYARISM」「みらい百貨店」「茶ノ湯のSOZO」「ETOMONO & ENGIMONO」(全て 伊勢丹新宿店 / 東京)
2016  「妄想超特急プレミアム」(白白庵 / 東京)
2016  激陶者集団へうげ十作展「浅草甲乙数奇合戦」(まるごとにっぽん / 東京)
2017  「ねこLOVERS」「ピーチガールズ・フェスティバル」(ともに 伊勢丹新宿店 / 東京)
2017  SAKURA MY CHILL」(京急百貨店ギャラリー旬 / 神奈川)
2017  個展「北井真衣の妄想新婚生活展」(白白庵 / 東京)
 
牟田陽日 
プロフィール
 1981年東京都に生まれる。2008年ロンドン、ゴールドスミスカレッジ、ファインアート科卒業。その後、石川県の伝統工芸である九谷焼に出会い、2012年石川県立九谷焼技術研修所卒業。現在、石川県能美市にて工房兼住居を構える。日常的な食器、茶器などの美術工芸品、アートワークなど表現要素の強い作品など多岐に渡り制作する。2014年からは動植物や幻獣などを多く描き、古典的題材と私的寓話の共在する色絵磁器を発表している。九谷焼を素材、工芸を媒体としながら、日本の美感とアートの概念の間を相互に交信するような作品制作を目標とする。
 
経歴
2008  ロンドン大学 ゴールドスミスカレッジ ファインアート科 卒業
2008  個展『A Tale of Two Suns』 Iniva、ロンドン
2008  『newcontemporaries 2008』 A Foundation, ロンドン
2011  『We who saw signs』 ICA gallery,シンガポール
2012  石川県立九谷焼技術研修所 卒業
2012  IKEYAN☆オーディション グランプリ
2012  伊丹国際クラフト展「酒器・酒盃台」 優秀賞
2014  三越伊勢丹「NIPPONISTA」出展、ニューヨーク
2014  「牟田陽日展」日本橋三越本館6階 美術サロン、
2014  個展「花とけもの」裏千家茶室 shuhally、横浜
2015  「百万石カオス」銀座三越アートギャラリー
2015  「fanatic table」gallery Rempah-Rempah, 石川
2016  「牟田陽日展」うつわノート、埼玉
2016  アートフェア東京KOGEI@kassi~selected by MITSUKOSHI東京
2016  「第11回パラミタ陶芸大賞展」大賞、三重